導入
スキーのスクールで、こんなことを言われた。
「上手くなくてもいいから、一度試乗会に行ってみた方がいいですよ」
正直、そのときは半信半疑だった。試乗会は、ある程度滑れる人が行くものだと思っていたからだ。
自分はまだ基礎をやり直している段階だし、板の違いなんてわかるのか。そんな状態で行っても意味があるのかと思っていた。
それでも、せっかくの機会だからと実際に参加してみた。
結果としては——もっと早く行けばよかった、というのが正直な感想だ。
この記事で書くこと
この記事では、普段使っているHEAD e-Race Proと、試乗会で乗ったOGASAKA KS-AP2を比較して感じた違いと、「上手くなくても試乗会に行くべき理由」をまとめていく。
板選びに迷っている人だけでなく、「自分の滑りに何が足りないのか知りたい人」にも参考になるはずだ。
試乗会ってどんな流れ?
試乗会は、思っていたよりシンプルだった。
まず会場に着いたら受付に並び、説明を受けて試乗用の腕章を受け取る。この腕章があれば、各メーカーの板を借りることができる。
その後は、自分の乗りたいメーカーのブースへ行く。スタッフにブーツサイズを伝えると、その場でビンディングを調整してくれる。
準備ができたら、そのままコースに出て試乗スタート。
1回あたりの試乗時間はだいたい30分前後。リフト2〜3本滑ると、ちょうどいい時間になる。
滑り終わったら板を返却し、別の板に乗り換える。この流れを繰り返していく。
実際に行って感じたこと
いくつか、行ってみて気づいたことがある。
まず、人気モデルは普通に並ぶ。話題の板は待ち時間が発生することも多い。
逆に、すぐ乗れる板もあるが、意外とそういう中に自分に合うものがあったりする。
また、時間は思っているより足りない。あれもこれも乗ろうとすると、結局中途半端になる。
さらに雪質も重要で、午前は硬く、午後は緩むことが多く、同じ板でも印象が変わる。
HEAD e-Race Pro|普段使っている板として感じていること
まず前提として、HEAD e-Race Proは試乗会で乗った板ではなく、普段から使っている板になる。そのため、短時間の印象ではなく、乗り込んだうえでの感覚になる。
とにかく安定していて、雪質をあまり選ばない。硬いバーンでも荒れた雪でもバタつかず、安心して滑れる。
この板の特徴は、たわみの返り(反発)がそれなりに強いこと。
その反発によって、ターンの中で縦方向の落差も、横方向の広がりも出しやすい。
しっかり乗れているときは、ターン後半で板が前に出ていき、自然に次のターンへつながる。
ポジションとの関係
ただ、この板はポジションの影響を強く受ける。
ポジションがズレると、板だけが走って体が遅れる感覚になる。反発がある分、そのズレがそのまま出る。
逆に、しっかり乗れたときは、板との一体感があり非常に気持ちいい。
S8iとの違い
以前使っていたAtomic S8iは、意識的に切り替えをしないと、たわみが抜けにくい感覚があった。
それに対してe-Race Proは、たわみというよりも「反発と走り」で前に出ていくタイプだ。この違いもあり、ポジションのズレが分かりやすい。
OGASAKA KS-AP2|クセのなさと自然な操作感
一方で、OGASAKA KS-AP2はかなり印象が違った。
クセがなく、操作がとても自然で、自分の動きがそのまま板に出る。
一見すると走りは穏やかに感じるが、実際にはしっかりスピードは出ている。常に板が足元に収まっているため、そう感じるだけだと思う。
それでいてコントロール性が高く、ずらしの操作が非常にやりやすいのも印象的だった。
走る板でありながら、ずらしにも対応できる。このバランスの良さが特徴だと感じた。
OGASAKA KS-AP2を3種類すべて乗り比べて感じたこと
今回の試乗会では、KS-AP2をプレート違いで3種類すべて試すことができた。同一モデルでここまで比較できるのは試乗会ならではだと思う。
プレート違いで感じた差
プレートなし(コンプリート)
つかみどころが少なく、たわみ始めや量が分かりづらい印象。
FMプレート
しっとりとした滑り心地で、雪面に対して粘るような安定感がある。
SREDプレート
たわみ始めや量が非常に分かりやすく、板の状態を把握しやすい。
SREDが一番しっくりきた理由
谷回りでしっかり捉え、そこから自然にたわみを使い、次の操作につなげていける。この「つながり」が一番分かりやすかった。
乗り比べてわかったこと
どのプレートが良いかよりも、どう乗るかの方が重要。
ただし、感覚をつかみやすいセッティングは確実にある。自分が何を感じ取りやすいかで選ぶことが大事だと感じた。
まとめ|最終的に注文した理由
今回の試乗会は、板を選ぶために行ったわけではなかった。
ただ実際に滑ってみると、今までにない感覚で滑れる板に出会った。
それがKS-AP2のSREDプレートだった。
谷回りやたわみの感覚が分かりやすく、「こうすればいい」というイメージがはっきり見えた。
これなら、もっと楽しく上手く滑れるかもしれないと感じた瞬間、ほぼ迷わず注文していた。
試乗会は上手くなくても行くべき
板の違い以上に、自分の滑りの癖や課題が見えてくる。そして「こう滑りたい」と思える感覚にも出会える。
試乗会は上手くなくても行くべきだと思う。
最後に
板選びに迷っている人にも、滑りを見直したい人にもおすすめできる。
今回の試乗で、滑りの理解が一段深まった。そして何より、「もっと滑りたい」と思えるきっかけになった。
次はこの板でシーズンを通して滑り、また感じたことを書いていきたい。


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